「絶望的な状況でもイエス様に希望がある」ルカの福音書23章39~43節(新約171頁)
今日から教会暦では受難週に入ります。今年は4月20日がイースター。イエス様の御受難を覚えつつ、十字架の主イエス様を信じて救われた原点を覚え、この十字架の主イエス様を信じる者は救われる事を信じて、お伝えしましょう。
先週は、イエス様が十字架につけられているにもかかわらず、十字架上の第1言、「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。」(ルカ23・34)ととりなし、祈られたところから学びました。今日はその続きです。十字架上の第2言は、信仰者への救いの確約でした。
1.主イエス様の左右に十字架につけられた犯罪人(39~42)
イエス様を中央にして、左右に犯罪人(強盗。マタイ27・38、44参照)たちが十字架につけられました。最初、この二人の犯罪人たちは、周りの人々と共に、イエス様をののしっていました(マタイ27・44)。
39節。『十字架にかけられていた犯罪人の一人は、イエスをののしり、「おまえはキリストではないか。自分とおれたちを救え」と言った。』。イエス様をキリストと信じていない者の皮肉です。同時に、誘惑でもありました。十字架の上で、悪魔に用いられて、イエス様に皮肉を放ち、十字架から降りるように誘惑する犯罪人の悪口が浴びせかけられる中で奇跡が起こりました。十字架にはりつけにされているイエス様のそのとなりで、同じく十字架にはりつけにされ、苦しんでいるもう一人の犯罪人が悔い改めたのです。40~41節。『すると、もう一人が彼をたしなめて言った。「おまえは神を恐れないのか。おまえも同じ刑罰を受けているではないか。おれたちは、自分のしたことの報いを受けているのだから当たり前だ。だがこの方は、悪いことを何もしていない。」』。
このもう一人の犯罪人は、①神様を信じ、神様の前に恐れをもっていました。そして、②この神様の前に、自分の罪を認めていました。そして、③イエス様が何の悪いこともしなかった、無罪のお方であることを告白するのです。そして、このイエス様は、本当に救い主、キリストであることを信じるのです。そして、その十字架刑の苦しみの最中、まさに、死の直前に、イエス様に告白します。42節。『そして言った。「イエス様。あなたが御国に入られるときには、私を思い出してください。」』。この点、「その強盗は、もう数時間しか生きられないことを知っていたので、この祈りには、イエスが御国で彼を受け入れてくださる未来の状態に対する信仰が含まれている。」(プランマ―、ウェスレアン聖書注解)と解説されています。
2.絶望と孤独の中で見出した、イエス様にある救いの確約と希望
(43)
イエス様の口からは、犯罪人にとって、息も止まるような驚くべき言葉が出てきました。「イエスは彼に言われた。『まことに、あなたに言います。あなたは今日、わたしとともにパラダイスにいます。』」。十字架上の第2言。「今日」というのは「メシヤとの出会いによって生まれる決定的出来事を表すルカ的用語(2・11)」(熊谷、新実用聖書注解)と解説されています。「この約束には、人の死後も意識は継続することが含まれている。…」(プランマ―、同上)。ここでの「パラダイス」とは「新約聖書においては、この語は、正しい者が死後住むところを指していると思われる」(ウェスレアン聖書注解p355)。この点、「勝利を得る者には、わたしはいのちの木から食べることを許す。それは神のパラダイスにある」(黙示2・7、参照・黙示録22・1~5、創世記2・9)とあります。これらから「パラダイス」とは、イエス・キリストを信じる者が死後に入る、神と共に住む天国を表しています。なお、「パラダイスにいます」の「います」は未来形です。神の言葉は必ずその通りになる。この主イエス様から、このように語られ、受け入れられた十字架の強盗は、罪を赦され、義と認められ、神に受け入れられ、神の国に入り、神との親しい交わりにあずかるものとされた。彼は永遠のいのちを得たのです。だから、死後に住むパラダイス、天国の前味を、すでに、この地上でも味わいながら、死後に住むパラダイス、天国にまもなく死後、入る。彼にとって「死」はパラダイスに入る時(未来)となったのです。
彼は、悔い改めてイエス様(福音)を信じた事で、人生が大逆転した。死後にパラダイスに入る希望を得、現在はイエス様と近しい親しいものとされ、孤独と絶望から解放された。隣ではイエス様が共に苦難を担って下さっている。そして、この強盗は、自分では全く気が付いていないけれども、今なお、世界中で、ただ恵みによって、イエス様を信じて救われる事の有名な実例となりました。
(祈り)天の父なる神様。イエス様を信じる人は死後パラダイスに入り、この世でもイエス様と共に、神のご支配の中、生きていける事を感謝します。アーメン。
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