「キリスト信仰者の良い実を結ぶ実際生活」(ガラテヤ5・16~26)(新約382頁)
今朝はイエス様を信じて救われた人の歩み(生活)の実践、実際について学び、確認しましょう。それは、神の言葉(聖書)と神の霊(聖霊)に従う生活です。
1.あらすじと背景
誤った教えに翻弄され、ユダヤ人の様に律法を自分で行う事で救われよう(ユダヤ主義)としていたガラテヤ諸教会(1・6~9)。使徒パウロは、神のしもべとして、その誤りを正します(1・10~12)。生粋のユダヤ人で熱心なユダヤ教徒だったパウロですら律法を行う事によってではなく、イエス・キリスト信仰によって義と認められると知り、パウロもイエス・キリストを信じました(2・15~16)。さらにキリストが私(パウロ)の身代わりに十字架で処刑された事。だから私(パウロ)も共に律法に基づき処刑されたのだ(18、19)、と続けます。これは罪人が完全に正しい神と共に生きるためでした。しかし、その罪人が受けるべき処罰を、神の独り子イエス・キリストが十字架で身代わりに受けて下さいました。だからこそ2章19節、「私は、神に生きるために、律法によって律法に死にました。私はキリストとともに十字架につけられました」とパウロは続けます。キリストとはメシア(油注がれた者)の事です。旧約聖書にて、王(統治)・大祭司(仲保)・預言者(指導)の三職(任職時に油注ぎ)を兼ねて成就する存在です。そのようなメシア、救い主をユダヤ人達は待ち望んでおりました。そのメシア、キリストがついに来られたのがイエス様なのです。このお方がイエス・キリストを信じて受け入れる者の心に生きて下さいます(20)。しかもキリスト様は「私を愛し、私のためにご自分を与えてくださった、神の御子」(20)です。ゆえに、パウロは「私は神の恵みを無駄にしません」(21)と記します。
ですから使徒パウロは、偽りの教えに騙されて、ユダヤ教に改宗する事で救われようとしていたガラテヤ教会の人々に愕然としつつ(3・1~4)、「あなたがたに御霊を与え、あなたがたの間で力あるわざを行われる方は、あなたがたが律法を行ったから、そうなさるのでしょうか。それとも信仰をもって聞いたから、そうなさるのでしょうか。」(3・5)と迫ります。もちろん、イエス・キリストの福音を信じたから、神の約束の聖霊を受けた事をユダヤ人の信仰の父祖アブラハムの話をもって説明します(3・5~14)。
2.聖霊と聖書(神の言)に教え導かれて、良い実を結ぶ生涯(5・16~26)
イエス様を信じて結ばれて約束の聖霊を受けた信仰者に、使徒パウロは、キリストにある真の自由に留まり、再び偽りの教え等の奴隷にならないように命じます(5・1)。律法を行う事では救われない事(5・2~4)、聖霊によって、信仰によって(現在と共に、最終的にも)義とされる望みを持っている事(5・5)、大事なのは「愛によって働く信仰」と示します(5・6)。そしてそのキリストを信じて救われ、罪の奴隷から解放された自由を、再び「肉」(ここでは「神から離れた人間存在」、「罪の奴隷となり、本能的欲望のままに生きる人間」の意味)の働く機会とせず、愛をもって互いに仕え合うように命じます(13)。それは律法全体を通して神が示した事です(14)。「肉」は聖霊に反抗します(17)。その処方箋は16節で「御霊によって歩みなさい。そうすれば、肉の欲望を満たすことは決してありません」、と聖霊により導かれて生活し続ける事だと教えます。
御霊は神の御心のままに生きるように導きます。肉と聖霊に同時には従えません。どちらかです。肉のわざは具体的に19~21節。神の国は神の恵みの支配。神の国の王はイエス・キリスト。このお方を主として王として信頼し明け渡し従って生きる、すなわち御霊によって歩む時、その結実は22~23節。「御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制」。これらは神の聖なる御性質の現われで、神の聖なる律法も反対せず、むしろ承認します(23)。
そのように聖霊に導かれるなら同時に24節。「キリスト・イエスにつく者は、自分の肉を、情欲や欲望とともに十字架につけたのです」。「キリスト・イエスにつく者」とは「キリスト・イエスのもの」という意味。キリストの十字架での贖いにより、キリスト信仰者はキリストと結ばれ、聖霊を受けて、聖霊に導かれて生きる「キリストのもの」となりました。ですからその事を信じて、私は自分の「肉」(神から離れていた自分)を、諸々の悪欲(19~21)と共に「十字架につけたのです」と、主のお言葉ですから、私達も信じて、主に明け渡しましょう。
そして更に聖霊に導かれ、キリストに全く信頼し、明け渡してお従いし、聖書のみ言葉に従って前進して参りましょう(25,26)。聖書は聖霊に導かれて書かれました。聖書と聖霊は矛盾せず一致して、私たちに神の御心を教え導きます。
【祈り】父なる神様。私達の生活に御霊の実を豊かに結ばせて下さい!アーメン。